データセンターの新たなあり方
冠雪の山々を臨む
石狩データセンター
次なるチャレンジを続けていく場所
広大な平地と手稲山の稜線。シリコンバレーと似た風景が見えるところに石狩データセンターはあります。クラウドに特化した郊外型データセンターの先がけとして新しい姿をつくるチャレンジ精神は建設当時から今も受け継ぎ、次のあり方を構想中です。
CO2排出量ゼロを実現
データセンターの電力に、水力発電を中心とした再生可能エネルギーを2023年6月1日より採用し、年間CO2排出量ゼロを実現しています。
天然の冷房を活用して
冷涼な外気をサーバールーム内に取り込む「直接外気冷房方式」と、室外機と空調機の間を循環する冷媒を外気で冷やす「間接外気冷房方式」を導入し、一般的な都市型データセンターと比べて約4割の消費電力を削減しました。世界を見ても最高水準のエネルギー効率です。
余白のある設計
敷地面積は約5万㎡と東京ドームの約1.1倍の広さを備えます。1棟あたり約1,280ラックまで対応できる分棟式の建物を、最終的には5棟/約6,800ラックまで増設する予定です。現在必要な数よりも余分にスペースを確保しているため、需要に応じてすばやく拡張することができます。
データセンターはサーバーを置くためだけの場所ではありません。さくらインターネットの事務所として社員が働く場所としても機能しています。お客さまを招いてイベントを開いたり、非常時には社員やその家族の避難所として利用することも。柔軟に活用できる、人のための余白でもあります。
地震・津波リスクの低い、安全なロケーション
所在地の下に活断層は無く、大規模地震による影響を受けにくい地域です。また、陸上における津波の最高到達点4.7mに対し、建設地の地盤高は5.5m以上と安全性の高い場所です。
北海道全域の大停電を乗り切った経験をもとに
2018年、北海道胆振東部を最大震度7の地震が襲い、道内全域が約60時間停電しました。データセンターでは、停電時の対策として非常用電源設備が用意されており、電力会社からの電力供給が停止すると、燃料を用いて自家発電するようになっています。
ただ、この時は道内全域が被災するという想定外の事態から燃料の追加調達も思うようにできず、給電がいつ再開されるか分からなかったため、緊迫した状態が続いていました。燃料切れによる運用停止もありうるなか、現場のエンジニアと連携して問い合わせに応え、リアルタイムに情報を発信していました。
当時の備蓄燃料は標準的な48時間分で、追加の燃料は石狩市役所、経済産業省など関係各所からのご支援をいただくことで約60時間を非常用電源で乗り切りました。この経験は、防災訓練や備蓄の見直しなど現在の災害対策に生かされています。
都市型と郊外型を結ぶ
全国3つの拠点
国内最大級の大容量バックボーン
東京・大阪間を数多くの大手ISPやIXと接続することで、ネットワーク障害の発生率を限りなくゼロに近づけ、高い可用性とトラフィック配信能力を実現しています。
バックボーン紹介ページも併せてご覧ください。
安定性のある高速ネットワーク
東京・大阪・北海道の各エリア間を100Gbps以上での冗長構成で接続。対外接続についても、複数のIXや大手ISPと接続。約120社のトラフィック交換により品質が支えられています。スループットをより求められる箇所では、複数の回線接続による負荷分散をおこなうことで、高い処理能力と安定性を実現しています。
障害時も運用を止めない安全対策
震度6強の地震にも耐える制震・耐震・免震構造を採用するほか、冗長構造の無停電電源装置(UPS)の設置など、障害時も運用を継続できる構成にしています。