お客様各位 さくらインターネット株式会社 代表取締役 社長 田中 邦裕 「西新宿データセンター」における電源障害発生の原因と 再発防止策に関する最終報告 謹啓 平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。 2008年12月19日に発生いたしました、弊社西新宿データセンター(所在地: 東京都新宿区西新宿)における電源設備からの発煙および電源供給障害につき ましては、お取引先様、お取引先様のサービスをご利用の皆様ならびに近隣の 皆様に多大なるご心配、ご迷惑をおかけいたしましたことをお詫び申し上げま す。 本障害発生以降、消防庁のご協力のもと、弊社ならびに電源設備メーカーに て原因究明に向けて調査を行って参りました。本日、下記の通り試験結果、 原因、再発防止策につきまして、最終のご報告をさせていただきます。 今後は再発防止に向けて、社員および関係者一同徹底して取り組んで参りま すので、何卒、皆様方のご支援ご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げ ます。 この度は、多大なるご迷惑をおかけ致しましたことを心よりお詫び申し上げ ます。 謹白 記 ■障害の概要 発生日時:2008年12月19日 12時35分頃 影響範囲:6F Aゾーン90ラック、6F Bゾーン68ラック計158ラックに供給 されている2系統の電源のうち1系統の電力供給が停止 障害内容:電源設備からの発煙による一部電力供給停止 ■調査・試験結果 1.消防庁による現場検証 弊社の運用体制および焼損した変圧器以外の機器には問題は見当たらず、 焼損した変圧器の解体調査をメーカーにて実施することとなりました。 2.解体調査結果 メーカー工場内にて、弊社担当者および消防庁立会いのもと当該変圧器の解 体調査を実施いたしました。その結果、変圧器の左側面の中央部で絶縁紙な どが焼失し、変圧器を構成する内部の巻線が短絡していること、および変圧 器の巻線の位置が設計値よりもずれていたことが確認されました。 3.成分分析調査結果 事故の起点となったと思われる変圧器内部の巻線が短絡した部分、およびそ の周辺に付着していた物質の成分分析を実施いたしました。その結果、変圧 器を構成する成分以外の物質は検出されなかったため、変圧器外部から物質 が混入して障害が発生した可能性は極めて少ないとの結果となりました。 4.再現試験 今回障害が発生した変圧器と同じ仕様の機器をメーカーが製作し、事故当時 の使用条件を模擬した再現試験を実施いたしました。その結果、変圧器内部 の巻線付近の部品が局部的に過熱することが判明いたしました。 ■障害発生の原因 上記の消防庁による現場検証、メーカーによる解体調査、成分分析調査およ び再現試験などを通じて原因の究明を図ったところ、製造時において発生した 組立ミスにより、当該変圧器に局部的な過熱が発生、本障害が生じたものとの 結論となりました。 ■障害の再発防止策 今回障害が発生した変圧器につきましては、2009年3月1日に交換し、正常稼 働へ向けて点検・整備作業を行っております。当該変圧器以外の変圧器につき ましては、障害発生後より冷却ファンを追加するなどの冷却強化や、メーカー による温度監視の強化を行っておりますが、このたびメーカーからの報告にて、 障害再現実験にて局部的な過熱発生が判明していること、これを踏まえ当該変 圧器以外の変圧器につきましても健全性が確認された変圧器に交換させて欲し いとメーカーから強い申し入れを受けていることにより、当該変圧器以外のす べての変圧器も可及的速やかに交換することを決定いたしました。 尚、障害発生後より、電力使用量抑制策および電源設備冷却強化策の実施、 メーカーによる電源設備の日次点検および温度監視を継続して実施しており、 再発防止のための態勢をとっております。 尚、2008年12月21日付けで発表しております「電源障害に関する質問および 回答」も、最終報告に併せて内容を更新いたしております。詳細は以下の通り です。 ・「西新宿データセンター」における電源障害に関する質問および回答(最終版) 以上