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さくらインターネット、新しい空調コンセプトで石狩データセンター3号棟を建設
〜直接外気冷房から間接外気冷房へ、ラック収容スペースの高密度化も達成〜

自社運営のデータセンターでインターネットインフラサービスを提供するさくらインターネット株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:田中 邦裕)は、国内最大級の郊外型大規模データセンターである石狩データセンターを拡張し、既存の1・2号棟とは異なる新しいコンセプトをもつ3号棟の建設を決定いたしました。竣工時期は2016年冬を予定しています。

2011年にオープンした石狩データセンターの1・2号棟は、北海道の冷涼な外気をサーバルーム内に取り込む直接外気冷房方式を採用し、一般的な都市型データセンターと比較して約4割の消費電力を削減、世界最高水準のエネルギー効率を達成しています。既存棟である1号棟のラック稼働率は9割を超え、2号棟の利用も進んできており、増大するデータセンターニーズに対応するために、今回新たに3号棟を建設することにいたしました。

石狩データセンターの3号棟は、まったく新しい空調コンセプトと、さらに運用効率が高まる設備コンセプトを導入した先端設計のデータセンターです。4年にわたる1・2号棟での運用経験からえた知見が最大限に盛り込まれた3号棟は、今後の拡張の際のハブにもなる、まさに石狩データセンターの中心となる存在です。

3号棟では、既存棟の直接外気冷房方式から空調コンセプトを変更し、室外機と空調機の間を循環する冷媒を外気で冷やしてサーバルームを冷却する、間接外気冷房方式を導入します。外気を室内に導入しないため湿度変動がなく、除湿器・加湿器、加湿のための給水などが不要となり、ランニングコストをさらに削減します。サーバルーム内の空調には、新たに上部壁吹き出し方式を採用し、送風ロスの低減と作業空間の快適性を両立します。

設備面では、将来的な大型機器の導入や大量搬入に対応するために、搬入口からサーバルームまで電動フォークリフトでの走行を可能とします。あらかじめラックにサーバを搭載した状態で納品を受ける、セットアップラックへの対応も容易です。配電設備においては、従来のケーブル方式ではなくプラグイン分岐機構をもつバスダクト方式※1を全面的に採用し、ラック増設、供給電力変更時などの電気工事を不要とし、電力使用の拡張性と柔軟性を向上します。

さらに、1・2号棟での運用経験を活かし、石狩データセンター全体での設計を最適化した結果、3号棟の収容ラック数、スペース効率が大幅に向上し、従来棟比で約1.6倍のラック収容密度を実現します。3号棟の最大収容ラック数は1,900ラックとなり、既存棟をあわせた石狩データセンター全体での最大ラック数は、3,000ラックにも達します。

さくらインターネットは、データセンター領域、インターネットインフラサービス領域でのイノベーションを追求するリーディングカンパニーとして、「進化するデータセンター」である石狩データセンターを今後ますます拡張していきます。最先端の設計思想により作られた、世界最高水準のエネルギー効率とコスト効率をもつデータセンター、それが石狩データセンターです。

※1 バスダクトとは、電気を伝導するための帯状の導体を絶縁・被覆し、金属でケーシングしたもので、一般的なケーブル方式と比較して堅牢性、防災性、効率性に優れる。プラグイン分岐機構は、バスダクトからサーバラックへの電源敷設を容易にし、負荷容量に応じたブレーカ選定などを可能にする。

従来比で約1.6倍のラック収容密度を実現。石狩データセンター3号棟の概要

石狩データセンター3号棟は、今後の拡張の際のハブにもなる石狩データセンターの中心となる存在です。既存の1・2号棟とは連絡通路で連結され、将来の4号棟、5号棟の建設の際にも、3号棟が動線上のハブの役割を果たします。データセンター全体での設計を最適化した結果、3号棟の最大収容ラック数は1,900ラックとなり、従来棟比で約1.6倍のラック収容密度を実現します。1号棟500ラック、2号棟600ラックとあわせ、3号棟建設後の合計ラック数は最大3,000ラックに達します。

外観デザインは、機能的要求の積み上げと将来的な変化に対応することを追求し、直線により形づくられた構成的な外観となります。曲線による象徴的な外観をもつ1・2号棟とはまったく異なる、新たなデザインを採用します。

3号棟・鳥瞰パース
3号棟・鳥瞰パース(奥:3号棟、手前:1・2号棟)

3号棟・外観パース
3号棟・外観パース(中央:3号棟、左:1・2号棟)

将来計画・鳥瞰パース
将来計画・鳥瞰パース(計5棟、最大6,800ラック規模)

直接外気冷房から間接外気冷房へ。まったく新しい空調コンセプトを採用

3号棟では、既存棟の直接外気冷房方式から空調コンセプトを変更し、室外機と空調機の間を循環する冷媒を外気で冷やしてサーバルームを冷却する、間接外気冷房方式を導入します。間接外気冷房用の新たな空調機は、外気で冷える冷媒コイルだけでなく、夏期に限定的に使用するチラー用の冷水コイルもあわせもつダブルコイル構成です。

間接外気冷房は、冷媒を介した外気利用であるため湿度の変動がなく、除湿器・加湿器、加湿のための給水などが不要となり、現時点において総合的なランニングコストに優れると判断しました。エネルギー効率は適切な外気条件時の直接外気冷房に及ばないものの、間接外気冷房モードでのpPUE※2は1.11を見込んでいます。

間接外気冷房の図
間接外気冷房の図

※2 pPUE(Partial Power Usage Effectiveness)とは、データセンターのサーバルーム単位でのエネルギー効率をあらわす指標。PUEはデータセンター全体のエネルギー効率を意味する。理論上もっとも良い値は1.0で、一般的に値が2.0を下回ると効率が良いとされる。

送風ロスの低減と作業空間の快適性を両立。上部壁吹き出し式空調

サーバルーム内の空調には、新たに上部壁吹き出し方式を採用し、送風ロスの低減と作業空間の快適性を両立します。大型ファンによる壁吹き出し方式は、ラック上部まで冷風を運ぶ天井吹き出し方式と比べて送風ロスが少なく、PUEに優れるという利点がありますが、場所によって冷風が作業者に直接あたってしまい、作業面での課題がありました。今回の上部壁吹き出し方式は、ファンの設置位置を天井付近にまで引き上げ、大型ファンによる緩やかな冷風をサーバルーム全体にいきわたらせる形とし、従来の壁吹き出し方式の課題を解決します。

上部壁吹き出し方式の気流シミュレーション
上部壁吹き出し方式の気流シミュレーション

拡張性と柔軟性に優れる設備コンセプト。先端設計によりさらに運用効率が高まる

設備面では、将来的な大型機器の導入や大量搬入に対応するために、搬入口からサーバルームまで電動フォークリフトでの走行を可能とします。あらかじめラックにサーバを搭載した状態で納品を受ける、セットアップラックへの対応も容易です。配電設備においては、従来のケーブル方式ではなくプラグイン分岐機構をもつバスダクト方式を全面的に採用し、ラック増設、供給電力変更時などの電気工事を不要とし、電力使用の拡張性と柔軟性を向上します。

バスダクト方式のイメージ
バスダクト方式のイメージ

3号棟 建築計画概要

施設名 石狩データセンター
建設地 北海道石狩市
工期 着工:2015年10月
竣工:2016年冬(予定)
建築面積 6,487㎡
延床面積 12,270㎡
建物構造 地上3階建・鉄骨造
ラック数 1,924ラック(3号棟のみのラック数)
空調方式 間接外気冷房システム
設計施工 鹿島建設株式会社

以上

■さくらインターネット株式会社
本 社:大阪市中央区南本町1丁目8番14号
設 立:1999年8月17日
従業員:303名
資本金:8億9530万円
売上高:105億7,600万円(平成27年3月期)

■この報道資料の問い合わせ先:
さくらインターネット株式会社 広報宣伝室
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