さくらインターネット研究所、国際会議「IEEE COMPSAC 2019」で論文採択

　インターネットインフラサービスを提供するさくらインターネット株式会社（本社：大阪府大阪市、代表取締役社長：田中 邦裕）の組織内研究所であるさくらインターネット研究所に所属する研究員である坪内佑樹主著の論文が、国際会議「IEEE COMPSAC 2019」におけるメインシンポジウムの1つである「NCIW: Networks, Communications, Internet & Web Technologies」（以下、NCIW）にショートペーパーとして採択されました。アメリカ合衆国・ウィスコンシン州で現地時間2019年7月15日（月）～19日（金）に開催されたCOMPSAC2019にて、本論文の発表を行いました。

・論文の発表を行うさくらインターネット研究所 研究員 坪内 佑樹

 

　本論文は、異種混合キーバリューストアを用いて拡張可能な時系列データベースアーキテクチャを提案するものです。サーバーの状態を監視するための時系列データの各種利用に対して、データ構造を拡張することが期待できます。

　さくらインターネット研究所では、今後も社会にとって有用で新しいインターネットインフラを実現するための研究開発に努めてまいります。

採択された論文について

タイトル

『HeteroTSDB: An Extensible Time Series Database for Automatically Tiering on Heterogeneous Key-Value Stores』
Yuuki Tsubouchi（SAKURA internet Inc.）, Asato Wakisaka（Hatena Co., Ltd）, Ken Hamada（Hatena Co., Ltd）, Masayuki Matsuki（Hatena Co., Ltd）, Hiroshi Abe（Lepidum Co. Ltd.）, Ryosuke Matsumoto（SAKURA internet Inc.）

（和訳）
『異種混合キーバリューストアを用いた自動階層化のための拡張可能な時系列データベースアーキテクチャ』
坪内 佑樹（さくらインターネット株式会社）、脇坂 朝人（株式会社はてな）、濱田 健（株式会社はてな）、松木 雅幸（株式会社はてな）、阿部 博（株式会社レピダム）、松本 亮介（さくらインターネット株式会社）

※著者の所属は、本論文の最終原稿提出時点のものです。

概要

システム管理者からの需要の増加に伴い、システムの状態を時系列データとして収集するためのモニタリングシステムがサービスとして提供されるようになってきています。モニタリングサービスの時系列データベースには、高解像度な時系列データ、時系列データの長期間保存、高い書き込みスケーラビリティと高可用性が求められています。一方で、これまでサービスの機能追加のためにデータ構造の拡張性を考慮した時系列データベースは提案されていません。本研究では、インメモリのキーバリューストア （KVS） とオンディスクのKVSを組み合わせた異種混合KVSにより自動階層化する時系列データベースアーキテクチャを提案しています。提案手法では、メモリとディスクのデータ構造を異なるKVSとして分離することにより、書き込み効率とデータ保存効率を保ちつつ、用途ごとに最適化されたデータ構造へ書き込みを複製するといった拡張が容易となります。

「IEEE COMPSAC」について

「IEEE COMPSAC」は、IEEE内に設置されているテクニカルソサイエティ「IEEE Computer Society」による、コンピューターソフトウエア分野の主要な国際会議です。2018年の開催では、フルペーパーの論文採択数は250件以上の投稿のうち63件であり、論文採択率は24%（https://ieeecompsac.computer.org/conference-archives/）となっています。

「NCIW」について

「NCIW」（Networks, Communications, Internet & Web Technologies）は、「COMPSAC 2019」のメインシンポジウムのうち、インターネット技術とアプリケーションに関する研究開発を共有するフォーラムです。

※ プレスリリースに掲載されている内容は発表時点の情報です。その後、予告せず変更となる場合があります。