北海道石狩市(市長:田岡 克介)は、石狩市域におけるIoT、AI、ビッグデータなどの情報技術の利活用による市民サービスの向上、教育分野におけるICT支援、および行政事務の効率化などを目指し、さくらインターネット株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:田中 邦裕)と2018年4月6日付けで包括連携協定を締結します。
協定における取り組みの一つとして、無線通信(LPWA※1)の1つであるLoRa※2を活用した河川水位計測システムの試行運用を4月より開始します。実験では、昨年大雨災害が発生した石狩市浜益区における河川水位情報を随時確認するため、同区内にLoRaの基地局を6台、6カ所の橋に水位計測センサーを設置し、水位情報の測定・蓄積を行います。
システムのデータ通信にはさくらインターネットのIoTプラットフォーム「sakura.io」※3を利用します。測定された水位情報は、石狩市役所内で市役所職員が閲覧・集計することができます。
本システムの概念図
本システムの有用性が確認されれば、避難所開設などのための状況判断に役立てるとともに、通行止めなどによりパトロールが困難となった地域においても、現地へ行くことなく水位情報が簡単に把握でき、スムーズな共有が可能となります。
石狩市とさくらインターネットは、本システムの本格運用への切り替え、センサーの増設や他地域への拡大、および蓄積したデータのオープンデータ化を目指します。さらに他の分野におけるITを活用したまちづくりを協力して推進してまいります。
※1 LPWAとはLow Power Wide Areaの略で低消費電力、低ビットレート、広域カバレッジを特徴とする無線通信。サブGHz帯を用いるアンライセンスバンド(Sigfox,LoRa(LoRaWAN),Wi-SUNなど)と、LTEと同じ周波数帯を使用するライセンスバンド(NB-IoT、Cat-M1など)があります。
※2 アンライセンスバンドLPWAの1つで、LoRa変調方式を用いた通信規格。なお、LoRa Allianceが提供するオープンな通信規格として、物理層(LoRa変調など)、MAC層、ネットワークまで含めたものがLoRaWANです。
※3 モノとネットワークでデータを送受信するための通信モジュール、通信環境、データの保存や連携処理に必要なシステムを一体で提供するIoTのプラットフォーム。今回の実験では、検証中のLoRa変調方式を使った通信モジュールと水位計測センサーを組み合わせたものを橋に設置します。
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